海底宝探し(NAMCO/1980)

https://www.youtube.com/watch?v=A0EakKFNSzU
このゲームを初めてプレイしたのは、小学3~4年頃だったと思う。インベーダーとはちょっと毛色が違うこのゲーム、初見から初プレイまでにしばらくの時間を要した。真っ黒な海に泳ぐサメやデモプレイに映るドクロの不気味さも相まって、子供の私にプレイする事をためらわせたからだ。ネットで製造年を調べると1976年と1980年の2つが出てくる。カラーで放物線を描くように滑らかに動くギャラクシアンが1979年発売なのを考えると、1980年では無いように思うのだが実際はどうなのだろう。

場所は地元の小さなデパートの4階。フロアの半分は催事場、1/4が某農業組合系銀行、残り1/4ほどが待合スペース(ロビー?)のような感じだった。ここにテーブル筐体が7台設置されていたが、ゲームコーナーのような浮ついた印象は無く、ここに勤める職員の休憩所のような意味合いもあったように思う。大抵はシンと静まり返っており、紙コップ式自販機のコーヒーを飲むスーツ姿の人をよく見かけた。(数年後にはいわゆるという感じのゲームコーナーになる)

この頃のゲームの多くは、ミサイル(弾)を撃たなきゃ始まらないというものばかりだった。ここに設置されていた当時のラインナップは、カメレオンアーミー(レジャック)、スペースアタック(セガ)、コスミックモンスター(ユニバーサル)、ギャラクシアン(ナムコ)、与作とどん兵衛(?)、シェリフ(任天堂)だったように記憶しているが、見事にどれも弾を撃つゲームだ。

そしてこの海底宝探し。このゲームも例にもれず弾(水中銃?)は撃てるが、ゲームの目的は『船に宝を持ち帰る』事であり、この頃のゲームとしては珍しく敵を全滅させる事ではなかった。最上部に海面と船、画面全体の80%程はサメの行き来する海中、最下部に海底があり、中身の見えない壺が5つ(内4つが宝、1つが大ダコ)並んでいる。クリア条件は全ての宝を回収する事。

海底まで降り、埋まった巨大な壺の上に立つ。財宝だった場合は財宝の価値分のポイントが表示され、船まで持ち帰ることでそのポイントが得られる。問題なのは財宝では無かった場合だ。5つの壺の内1つは即死トラップ(大ダコという設定らしい。唐突にドクロが出て死亡)という非道さ。私のこれまで見てきたゲームの多くは、100円で3回ミスするまで遊べますというのがお決まりのルールだ。なので1機の価値はは33.3円。このゲームは敵にぶつかるでもなく、敵の弾にあたるでもなく、壺を開けて『ハズレでした』という理由で簡単に死ぬ。貴重な1機が。33.3円が。

大半のゲームで残機が減るということは、ほとんどの場合は自分に原因があり、納得できるものだった。納得できるからこそ悔さを感じられる→次はもっと上手く→やったぜ自己最高記録→嬉しい楽しい大好き。これが今まで経験してきたゲームであり、ゲームの面白さの基本であると思う。

しかしこのゲームはこれまでの常識なんざ通じない。1/5つまりは20%の確率で技術もクソも関係なく『運』によってミスとされてしまう。選択ミスなんて言葉はあるが、これまでのゲームのルールからすると、あまりに理不尽。大人になった今考えると、内部的に不正の無い処理をしているのかすら疑問に思ってしまう。
雰囲気はあらかじめ配置された5枚のトランプをめくってババを引いたら負けのようだが、選んだ壺は関係なく『開けた時にランダム抽選でも結果は一緒。何ならゲーム開始時に『何個目を開けたらドクロ』でも一緒なわけです…ランダムなのだから。更に言えばランダムでもなく『テーブル』の可能性もゼロでは無い訳です(分母が小さいから違和感が無い)。
ドクロが出たときに「ちがった!残念!」と思っているのはプレイヤーだけで、出来レースって事も全然あり得るわけです。一昔前の課金ゲームのガチャと同じ胡散臭さですね。子供が100円を使うにはかなり乱暴なゲームデザインかなと思います。

けど・・・だからこそ?

このゲームに100円玉を入れたときのドキドキ感は凄かった。せっかく海底にたどり着いても選択のミス(と思いたい)で即死。しかし財宝だった時の安堵。船に持ち帰った時の喜び。面クリアした時の達成感。・・・この確率にもてあそばれる怪しい喜びは覚えがあります。そうですパチ〇コです。これってギャンブルに共通する『スリル』という快感ですよね。

だからなのか、連続で大ダコにやられると「っざけんな!二度とやらねー!」としばらく近づかないのに、しばらくすると何故かまたプレイしてしまうゲームでした。

あぁ、本当にパチ〇コと同じだ・・・

 

もうパチ〇コは行っていませんが、若い時からずっと好きでした。
もしかするとパチ〇コにあの頃の楽しさを求めていたのかもしれませんね。

 

 

…違うか。

コメント

  1. 匿名 より:

    初めまして
    現在秋葉原のナツゲーミュージアムでプレイ出来ますね>>海底宝探し
    今プレイしてみるとルナレスキュー+ギャラクシーウォーズ・・・
    と言えなくもないと言うですね笑

    • コケガエル より:

      初めまして。コメントありがとうございます。
      良いですねーナツゲーミュージアム。
      本当に一度は行ってみたいのですが・・・生きてるうちにその機会が来るといいな^^;

      ルナレスキュー+ギャラクシーウォーズ・・・行って戻る+左右から障害物
      ほんとですね。その発想はありませんでした^^

      ん?と言う事は、任天堂(ユニバーサル)のスペースランチャーも仲間ですね。
      あれ?ちょっと遠くなった感(笑)

      雑談でも結構ですので、ぜひまた気軽にコメントしてもらえると嬉しいです。
      古いゲームの話に飢えているので^^

  2. U・M より:

    コケガエルさん、レスどうもです!
    海底宝探しと言えば所謂「スカ」を取った時のミスですが、当時の記憶では
    「スカを取ったら『一発でゲームオーバー』」だったんですが、実は
    「プレイヤーを一人失う」だけだったんですね。ああ記憶違いって怖い・・・
    後前の書き込みですが、最後の方がちょっとおかしな文体になってしまいました。
    正しくは「今プレイしてみると~と言えなくもないと言う感想ですね」です汗

    • コケガエル より:

      U・Mさん、こんばんは。匿名じゃなくなって嬉しいです^^
      おおう、『一発でゲームオーバー』だったら更にスリリングなゲームでしたね。地元にあったのは一機(人)失うでした。
      もしかすると、ディップスイッチでそういう設定があるかもしれませんよね?未確認ですが全然ありそうで怖い^^;
      1ゲーム10円なら、スコアアタックの熱い、中毒性の高いゲームになっていたかも(笑)

      文中で「連続で大ダコ~」なんて書いていますが「スカ」は1面につき一つだけなんですよね。なので本当は「面を挟んで立て続けに~」と書かなければホントはだめなんですが、いままで大して反応もないし「ま、いいか」と、放置していました^^;

      文章の最後、ちゃんとその通りの意味で理解していましたよー。普通に通じていました。
      大して人の来るトコじゃないので、お気軽に^^