セガマークIIIの思い出その1

こんにちは、こんばんは、コケガエルです。
今回はセガマークIII(以下マークIII)の思い出です。

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マークIIIは1985年10月20日発売。ファミリーコンピューターの約2年後でした。。
ねー…。ファミコンと同等程度(ちょっと下)の残念な子です。発色数だけはちょっと上。2年後発なのだから、正直もうちょっと頑張れなかったのかなーとは思いますが、これは逆に言うと『他社が2年遅れでやっと同等程度のモノを作ることが出来た』というファミコンのオーパーツっぷりがエゲツないって話ですよ。ファミコンは凄いマシンですよ。ホント。

おっといけません。マークIIIの思い出なのにファミコンを褒めちぎってどうする
では、セガやその周辺に関する事も交えながらマークIIIについて語っていきますね。

すべてはファンタジーゾーンから

マークIIIを買ったのは1986年で僕は中学3年生。当時アーケード(以下AC)で人気だった『ファンタジーゾーン』がマークIIIに移植されたので、辛抱たまらず購入しました。
僕の町のゲームセンターにはファンタジーゾーンが無く、ベーマガなどの記事を見てワクワクしながら設置を待つばかりでした。しかし、導入日より数カ月経っても設置されずに諦めていましたね。そんな時のマークIII版の発売でしたから、もう最高ですよ。アホのように遊びまくりました。

移植度はどうか?分かりません。AC版をプレイしたことがないのですから。
音楽は似てる?だから分からんつーの。

ええ、みなまで言わないでください。もちろんAC版をやらずとも分かっていましたとも。画面がしょぼいことも、ボスが2体変更されていることも。FM音源じゃないから比較にもならないことも。しかし、ンなこたぁどうだって良かったのです。だって本家のセガが「これはファンタジーゾーンです」って言っているのですから。出来がどうだろうと僕は幸せだったのです。

マークIII版の後でファミコンにも移植(サンソフト製作)され、それを友人宅でプレイする機会があったのですが、発色は悪いしスプライトはチラつきまくりで『うわ最悪』と思いましたし口からも出ました。しかし、大人になり再度プレイした時に、その認識は180度変わります。その再現度と原作愛に只々驚くばかりでした。
マークIII版は、各面の前線基地が背景に貼り付けられ、再現の難しいボスは全く別のモノに変更された“見栄えの悪くない別物”だった事を、当時は分からなかったのです。同じく、ファミコン版のチラつこうが何だろうが“原作の再現”にこだわった移植だった事も、当時の僕は理解できませんでした。なにせAC版をプレイできてなかったから。
音楽の再現度もマークIII版とは比較にならないくらい素晴らしいです。いま聴いても感動ものですよ。

そして、翌月の7月には『北斗の拳』が発売。これがまた出来が良くて遊びまくりでした。
11月『アレックスキッドのミラクルワールド』世間の評価はいま一つのようでしたが、僕は気に入ってかなりやり込みました。これも買って良かったです。
12月『スペースハリアー』もちろん最高です。ACのスピード感はどこへやらですが、雰囲気はまごうことなきスぺハリであり、残念移植とはいえ遊んで楽しい仕上がりでした。(ソニックで有名な中裕司さんがメインプログラム担当)

いやー、セガ最高。
実はマークIIIを買う1年ほど前まで、嫌いな…違うな“興味の無い”メーカーNo.1だったんですよね(笑)
私の中で何が変わったか、それを少しお話します。

…おや?セガのようすが……!

1984以前のセガはハッキリ言ってイケていません。この時期はナムコ・コナミ・カプコンの3社が特に人気があり、センスとアイデアにあふれた作品を次々にリリースしておりました。そんな中でセガは、古臭いというかアカ抜けないというか…老舗ですが二流、3番手って印象でした。(注:僕の中では)

そのセガがなんという事でしょう。『ハングオン』『スペースハリアー』の開発を皮切りに、それまでのセガの印象をガラッと変えることに成功します。

『ハングオン』は体感ゲーム第1弾。真っ赤な1/1スケールのバイク型筐体に度肝を抜かれました。おかしなゲームでマニアに人気の、株式会社コアランドテクノロジー(代表作:ペンゴ・ザ闘牛・青春スキャンダル等)が企画し、鈴木裕(代表作:スペースハリアー・アウトラン・バーチャファイター他)がデザイン。そして音楽はHiro師匠(代表曲:ファンタジーゾーン・スペースハリアー・アウトラン・アフターバーナー他)です。

続いて『スペースハリアー』体感ゲーム第2弾これもセガらしくない大ヒットです。開発途中まで戦闘機だった自機を「人間にしたほうが人気が出る」と筐体のデザインも完成しているのに無理やり変更(人を操作するのに操縦桿ですからねw)。結果大ヒットしたのですから、鈴木裕さんはやはりただ者ではありません。戦闘機のままだったら…ここまでの人気にはならなかったでしょうね。神判断&神センスですよ。そして音楽はHiro師匠。最高すぎ。

そして『ファンタジーゾーン』。おやおや?どうしちゃったの?ってくらい、これまでの(ハングオン以前の)セガらしくないポップでキュートなセンス。パステル調の画面。最初雑誌で画面を見たときはレーザーディスクのゲームだと勘違いして、記事をスルーしていましたよ(ベーマガで“クラブンガー”の画面だったと思います)。それがあーた、シューティングゲームと分かった日にはもうビックリして…遊びたかったなぁー。あ、これも音楽はHiro師匠。名曲しかないゲーム。

とどめが『アウトラン』。これも鈴木裕&Hiro師匠。説明不要ですね。これで僕の中でセガという会社のイメージが決定的に変わりましたよ。完全にイケてる会社に(笑)

 

余談ですが、ハングオン前後の人気他メーカーの作品を挙げると
ナムコ/ドルアーガの塔・パックランド・ドラゴンバスター・メトロクロスなど。
コナミ/新入社員とおる君・イーアルカンフー・ツインビー・グラディウス・沙羅曼蛇など。
カプコン/ソンソン・1942・エグゼドエグゼス・戦場の狼・魔界村・ガンスモークなど。
他メーカーでも/スターフォース・忍者君・スパルタンX・テラクレスタなどなど。

そんな中で、セガは
アッポー・フリッキー・ごんべえのあいむそ~り~、テディボーイブルース・忍者プリンセス・ヘビーメタルとかですよ。…結構ヒドくないです?

アッポー・フリッキーは人気がありましたし、僕も好きでした。
けど…ねぇ…パックランドやグラディウスとは比較にならないというか、何というか…もごもご…
セガは昔から他所の会社が開発したゲームを多数販売しており、ゲームの仕上がりにムラがありました。なので僕にとってセガは『イマイチなゲームを乱造する二流メーカー』以外の何者でもなかったのです(笑)

そこからの大逆転!この体感ゲームシリーズの大ヒットの連発ですからね。ゲームの出来が良いのはもちろんですが、『万年最下位のチームがまさかの優勝争い』的な『いつ潰れても構わないと思っていたセガがまさかの大躍進!?』って感じで、僕の中で『セガはカッコいい会社』となりました。
おめでとう!せがはにんきめーかーにしんかした!

もうイケイケ

この頃…というか遥か以前からですが、アーケード移植作はゲームの“華”であり、期待も注目度も大きいものでした。そしてセガはアーケードで人気急上昇のメーカーです。そのセガが人気の自社タイトルをマークIIIに移植するのですから、人気が出ないわけがありません!

…とはなりませんでした(笑)

世の中は、もう完全にファミコン人気が爆発していましたからね。前年(1985)にスーパーマリオが発売。同年(1986)はドラゴンクエスト、ワルキューレの伝説、ディスクシステムでゼルダの伝説、メトロイドが発売ですから。出来の悪い移植モノより、時代はRPGに向かっておりました。
さらに任天堂はサードパーティー制を導入し、沢山のメーカーから多彩なソフトが発売されていましたが、セガはサードティーの支援を受けず(受けられず?)孤軍奮闘。ユーザーはソフトの選択肢は多いほうが良いですから、セガの不人気はしごく当然です。

1987には需要は収束、FM音源を搭載したマイナーチェンジ版『セガ・マスターシステム』を発売しますが、状況を変えるには至りませんでした。存在感を示すことが出来ぬまま、世界シェア9.1%でセガの8bitマシンの販売は終了、16bitの『メガドライブ』へ希望を託します。

最近のケースだとWiiUに似ていますね。やはりサードパーティーの支援なく競争に勝つことは難しいのでしょうね。南無南無。

どれだけファミコンに人気が集まり、マークIIIに人気が無かったか。自分の周りでいえばファミコンユーザーはたぶん20人以上はいましたが、マークIIIユーザーは自分含め2人だけ。最終的な世界の累計台数で言えば、ファミコンは6191万台に対し、マークIIIは780万台(SC-1000・マスターシステム含む)です。ぐはっ。

まさに任天堂の一人勝ちで、任天堂だけがイケイケの時代でした。

セガ人の誕生

しかし、シェアがどうであろうが、性能がどうであろうが、セガのAC移植を一番早く遊べるのはマークIIIなのです。それだけでワクワクなんです。僕のようなゲーセン小僧の最大の興味はやはりアーケードであり、アクションゲームです。コマンド式RPGなんて、最初全く意味が分かりませんでしたから。コマンド『たたかう』『にげる』なんだそりゃ?(笑)ですよ。

ゆえにセガ最高!セガかっこいい!俺は、俺だけはセガの良さを分かっているゾ!と。まるで残念な恋愛を繰り返す“ダメ男にハマる女性”の様に、ちょっぴり盲目的(宗教的?)にセガを愛す『セガ人』と言われる人種になってしまいました。Beep?当然買っていましたよ。
嫌がるファミコンユーザーに無理やりマークIIIを遊ばせるのがお仕事みたいな感じです。よくカバンにFM音源パックを増設したマークIIIと沢山のソフトを詰め込んで、友人宅に押し掛けたものです。そして遊ぶのはだいたい自分というね。最悪。

セガを愛するが故の行為だったはずが、完全に逆効果ですよ。これ。

どうりで自分の周りにマークIIIユーザーが少ないはずです。まさか自分が普及の足止めをしていたとは…。イメージを落としたセガと、迷惑をかけた友人に謝罪したい

 

ありゃりゃ?結構長くなってしまいましたね。
書きたいことがありすぎてキリが無いので、今回はこの辺で〆たいと思います。

僕の様なちょっとおかしな感じのセガ好きさん。心当たりありませんか?
ご本人でも、友人でも『こんなヤツいたわ』ってのがありましたら、ぜひコメントください。

ではでは、最後にファミコン版のファンタジーゾーンを貼ってさようなら。
うん。この移植には愛がある。