ゲーム曲の個人的ベストその2【パソコン編】

こんにちは、こんばんは、コケガエルです。

先日、【個人的なゲーム音楽のベストを決める~アーケード編】なんてのをやってみましたが、今回は国産パソコン用ゲームの中から個人的ベスト音楽を決めてみます。

あ、今回に限ってMSXはパソコンではなく、家庭用コンソール扱いにさせていただきます。マイクロソフトが係わっておりますし、ROMカートリッジスロットとスプライト機能を持ってますからね。キーボードがあるとはいえ、コンソールに分類し、MSXはまた次回の記事ということで、お願いいたします。

では、早速80年代初期を振り返って行きましょう

1981年。アーケードではNEWラリーXの登場で、初めて本格的なBGMが付くようになりました。しかし、パソコン業界はまだビープ音によるメロディーらしきものが精々で、PC-6001・X1・FM-7が発売され、3重和音(PSG)が可能になるのは、この年後半以降の事でした。

1982年は、ゲームスタートやゲームオーバー時には、豊かなサウンドが鳴るようには成りましたが、高度なサウンドドライバなど無い時代なので、ゲーム中にリッチなBGMが流れるものは、ほとんど無かったように思います。

1983年には、あのドアドア(ENIX)が発売。中村光一さんの出世作ですね。音楽は主人公の移動にあわせてメロディーが鳴るディグダグ方式(?)でした。ビープ音で奏でられる味のあるサウンドは今でもはっきりと覚えております。…パソピア7版のドアドアもかなり遊んだのですが、何故かPC88と同じようなサウンドだったのが未だに謎。DCSG(SN76489)を搭載し6重和音を出せたのになんでだろ?単純移植ってだけなのでしょうかね。

FM-7版のナッツ&ミルク(ハドソン)は綺麗に2和音のBGMが鳴っていました。翌年ファミコン版が発売され、画面の構成はかなり変わっていましたが、音楽は原曲のパワーアップ版でした。ハドソンのファミコン初期のソフトは、どれも中々に良いサウンドでしたね。

1984年ボコスカウォーズ(アスキー)がX1・MSX・PC-8801向けに発売。歌詞が載った説明書が話題になりました。「すすめーすすめーものどーもー♪」と歌った事のある貴方は、現在もれなく中年ですね。
そして同年、名作ハイドライドが発売。PC88版は画面切り替えでビープ音、X1版はスクロールでPSG。PC88ユーザーは少々悔しそうでしたが、どちらもよくできたゲームでした。個人的にはキビキビ動くPC88版が好きで、ハイドライドといえばPC88版を思い出します。

この頃は面白いゲームは沢山ありましたが、サウンドに関してはまだ手探りの時代で、とりあえずメロディーが鳴っていたという感じですね。しかし、完成度は高くなくとも“味”と“思い出”という意味では、どれも楽しく愛すべきものです。当時のクリエイターに感謝せずにはおれません。
しかし、ここからです!翌年以降、記憶に残る名曲が次々と生まれます。

FM音源時代到来(1985年)

1985年はPC-8801mkIISR(以下88SR)が発売されました。アーケードでも戦場の狼が登場し、いよいよFM音源時代の幕開けです。ゲームアーツが発売したキュービーパニックテグザーのサウンドにめちゃ驚かされましたねー。僕にとっては初のFM音源でしたから、そのインパクトといったらもう…耳がビープ音と矩形波しか知りませんから、そりゃ驚きますよ。ね。

余談ですがX1版のテグザーはBGMがありません。同じゲームなのに、それはそれは味気なく感じたものです。X1版を持っていてテグザーにイマイチの評価をしていた友人が、初めて88SR版をプレイした時の顔(戸惑った半笑い)は生涯忘れられません(笑)。BGMの大切さを教えてくれたゲームですね。ちなみに発売/移植はスクウェアでした。

そしてMZ-2500ユーザーだった僕にとって忘れられないのが、メルヘンヴェール(システムサコム)です。MZ-2500を購入して初めて買ったソフトということもありますが、ひいき無しでも中々のサウンドでした。
ところでこのゲーム、毎ステージのクリア時にビジュアルデモが入るのですが、ある面をクリアし、デモ後にタイトル画面に戻ってしまうのを不良品だと思い、メーカーに手紙を送った事があります。2週間後『クリアおめでとうございます』と銀色のシールが同封された封筒が届いた時には、怒りに震えましたね。大好きなゲームの発売元が、大嫌いになった瞬間でした。そんな僕が「ひいき無し」と言っているのですから、こんなに説得力のある話もありません。
あんな終わり方ねーよ。誰がどう見たって開発途中じゃんよ(怒)

他に、らぷてっく(デービーソフト)等もありましたが、この年に絶対に外せないのがザナドゥ(日本ファルコム)ですね。高橋俊弥さん作曲です。
これもX1(PSG)と88SR(FM音源)で、両方遊びましたが、単純には比較できないそれぞれの良さがありました。腹ペコ時のヘロヘロ感(音程を狂わす)の演出は、プログラマの木屋さんの発案だそうです。メモリ制限のキビシイ時代ですからね、凄いアイデアですよね。

88SR版のFM音源の方が音質が良いのは当たり前(?)ですが、ゲームのイメージとのマッチングという意味では、X1版のサウンドの方が個人的には好きです。高橋俊弥さんも「PSGのX1版こそがオリジナル」とおっしゃっています。
よく友人の家にお邪魔して、プレイを後ろから長時間眺めていました。唐突にデータレコーダ(カセットテープ)がガチャコと動き始めると、ボス部屋に足を踏み入れた事を意味します。何度か友人と同時に「う」と声が出たのを懐かしく思います。最高の演出(?)ですよね(笑)

 

シャァベッタァァァァァァァ!!!(1986年)

さあ、記憶に残るサウンドがドンドン増えてきます。うっでいぽこ(db-soft)・ロマンシア(日本ファルコム)・太陽の神殿(日本ファルコム)・バビロン(クリスタルソフト)はゲーム自体も好きですが、音楽も好きな作品です。特に太陽の神殿の美しくも儚げなオープニングと、重苦しくも切ないゲーム中のBGMは鮮明に覚えています。

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ですけどね。やっぱり’86年といえば、有名どころで申し訳ないのですがシルフィード(ゲームアーツ)で決まりですよね。ソフトを立ち上げた初っ端から喋って、僕らの度肝を抜きにきましたからねーこいつは。これはゲームアーツ社内製のCSMトーキングシステムによるもので、FM音源を駆使して実現しています。当時「儂は宇宙の帝王ザカリテ…」はプレイした誰もが一度は真似したものですよ。(え?しませんでした?)

そして音楽も素晴らしかったです。前年のテグザーもカッコいい音楽でしたが、シルフィードは更にカッコよく、ステージに合った多彩な曲がゲームを盛り上げてくれました。中でも敵要塞内部のステージ曲は、子供心をくすぐるテンションMAXの曲でした。よく難易度の高いゲームと言われていましたが、僕は自力クリアまで頑張りましたよー。
宇宙の静寂を感じるような静かな導入からの、グロアール出現!その瞬間に肌があわ立った事を覚えています。そこからの『死闘』というに相応しい曲とボス戦!無我夢中で立ち向かいましたが、まぁ初見で倒せるはずもなく。クリア出来たのは初対面から何度目の挑戦だったかは覚えていませんが、初クリア時の感動は忘れられませんー
おっと、話が音楽から逸れてきていますね。いかんですね。

他にも、レリクス、ザナドゥシナリオIIなどもありました!
え?ヴァリス?…僕はウルフチームも日本テレネットも…ごにょごにょ…

さ、次に参りましょう!

 

古代祐三さん大暴れ(1987年)

来ました。パソコンゲーム業界に大きな影響を与える2つのソフトが発売された年です。
ゲーム音楽のレベルも上がり、アーケードではFM8音+PCM音源なんて当たり前の時代です。パソコンからFM3音+PSG3音が発声されたからといって、もう誰も驚きゃしません。しかしそんな中で日本ファルコムからイースソーサリアンが、同じ’87年に発売されました。どひー

音源性能の差は埋められませんが、曲の完成度では決して引けをとるものではありません!少ない同時発音数を感じさせない、作り込まれた曲の数々に大興奮しました。6月にイースが発売され、7月に購入。クリアしたのは夏休中の明け方近く、エンディング(の朝日)と微妙にリンクした状況に、もの凄く感動した覚えがあります。
ほんとに面白かったのですが、どれほどの名作だったかは語るまでもないですね。はい。
そして音楽。町は明るく活気にあふれ、フィールドは勇ましく、坑道は寂しく心細い、ダームの塔は…“敵の本拠地に潜入した感”といえば良いのでしょうか、どの曲も完璧にシーンにハマっていました。そしてラスト前のドキが現れたときの曲、そのクライマックス感といったら…陳腐で申し訳ないのですが『最高』としか言えません。
エンディングのストーリーを語り掛けるような、起伏のある曲も素晴らしかったし、その後のスタッフロールの「SEE YOU AGAIN」がまた、これが、もうね、パン(膝を叩く音)明るく元気な曲なのに、なぜか涙がこぼれました…これが僕の記念すべきゲームで泣いた初めての体験でした(笑)

そんで、イースからのソーサリアンです。参った。降参。沢山のシナリオ毎に複数曲が用意されていて、なんつー贅沢なゲームと大げさじゃなく驚きましたね。使いまわしが全くない上に、名曲揃いなのですから、呆れるやら恐ろしいやら…。ファルコムはザナドゥの時には、これからのゲームにおける音楽の重要性をいち早く察知し、開発していたそうです。先見の明ですね。本当に凄いです。当たるべくして当たり、売れるべくして売れたのですね。

最初のシナリオである『消えた王様の杖』は鬼のような完成度でした。ダンジョン、ヒドラ、生還、どれも名曲です。中でも生還は…おっと、ソーサリアンの話が終わらなくなってしまいそうですね。次に行きましょう~

’87年はファルコム以外でも、ジーザス(ENIX)やDAIVA(T&E SOFT)などの傑作・注目作も発売された年で、ジーザスは作曲をすぎやまこういち先生が担当されていて話題になりました。…話題にはなったし、ゲームも最高で何周も遊びましたけどねー…。あの有名なフレーズはさておき、曲はそんなに印象に残るような名曲は無かったように思います(僕はね)。
古代さんは音源ドライバ(MUCOM)まで作製し、音色の1つまで神経の行き届いた曲を作り上げますから。すぎやまこういち先生が優れた作曲家であっても、ことゲームミュージックに関しては、古代祐三さんには敵うものではないと思います。だからこそ『ゲームミュージックコンポーザー』という肩書が古代さんによって生まれたのでしょうから。

とにかく、ザナドゥ・イースでファルコムは十分にスゲェとなっていましたが、ソーサリアンで完璧に他社に差をつけた格好です。ヒットメーカーとしての安定感と信頼度は、黄金期のナムコや、スーファミ時代のスクウェアと並ぶのではないでしょうか。褒め過ぎ?(笑)

 

もう好みの問題ですな(1988年~)

アーケードのランキングの時も同様でしたが、この時代まで来ますと、大きなゲームメーカーはFM音源を使いこなしていますから、技術的には大きな差は無くなっているんですよね。もう、好みの問題だけです。生み出される曲も膨大になってきますので、ここからは個人的に気になった曲だけを、ザーッと挙げていきます。

1988年

4月のイースIIから始まり、5月スタークルーザー、7月アンジェラス、12月サバッシュが強く記憶に残っております。イースIIは言わずもがなですが、他のタイトルの曲も良く出来ていました。アンジェラスはジーザスに続きすぎやまこういち先生でしたが、こちらは音色も非常によく練られていました。ゲームはジーザスの方が好きですが、音楽だけで言えば断然アンジェラスです。

サバッシュは音楽が良い(特にオープニングデモ)のは勿論ですが、技術が高くまさに“サクサク”と動くのが気持ちよかったゲームです。前年に同じメーカー(グローディア)が製作したテスタメントも88SRとは思えない軽いスクロールで魅せてくれました。
おっと、忘れちゃいけないスナッチャー。…けど今回の記事では除外しているMSX版の方が、88SR版よりも好きなんですよね。なのでパソコンのランキングには…除外。

1989年

古代祐三さんは係わっておりませんが、イースIIIは外せません。’87にファルコムに入社しイースIIやソーサリアン等の作曲に参加している石川三恵子さんが1人で作曲を担当しています。

他にはスタートレーダーファイアーホーク、あれ?あと何だろう…英雄伝説エメラルドドラゴン?悪くはないし、むしろ良いのかもしれませんが、個人的な思い入れは少ないかなぁ…
進学した年という事で、以前ほどゲームを遊ばなくなったのもあるし、国産8Bitは勢いを無くしていましたからねー…。僕の中でパソコンのゲームミュージックがキラキラしていた時代は、この頃にはもう終わっていたのかもしれません。普通に日本の人気のポップスも、洋楽も聴くようになっていましたから…。
と、思ったらば友人宅で見せてもらったX68Kのジェノサイドやナイトアームズは素晴らしかったですね(笑)

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88SRやメガドライブのOPN系との違いを見せつけられました。X68kはOPM系で8ch、しかもPCM8なんてチートのような裏技を使っていましたからね。凄すぎです。

はい。見落としてる名曲も沢山ありそうですが、80年代を振り返ってみました。
では、この中から偏見と独断のによるマイベスト3曲を選びたいと思います。

パソコン部門まとめ

最高の一曲:ソーサリアン(日本ファルコム/1987)から消えた王様の杖「生還」

思い出の一曲:テグザー(ゲームアーツ/1985)からゲーム中BGM

一番聴いた一曲:シルフィード(ゲームアーツ/1986)からオープニング
ソーサリアン
(日本ファルコム/1987)から消えた王様の杖「ダンジョン」

ソーサリアンの「生還」は、アーケード編の「Thunder bolt」と同じように、僕の中で『完全』『完璧』な曲です。思い出補正じゃないんです。今聴いても凄いと思いますから。

テグザーは、単純に初のFM音源の衝撃を与えてくれたから。ゲームもそれまでのパソコンゲームとは一線を画す出来でしたからね、それからずっと大好きなゲームメーカーです。2011年に宮路武さんが亡くなった時は悲しかったなぁ。サターンのガングリフォンを引っ張り出しました…。

シルフィードは、正直、聞いた回数でいうと一番ではありません。ソーサリアンやイースの方が聞いてます。しかし身を入れて“聴く”となるとシルフィードです。何度も部屋の明かりを消してオープニングを見ていました。
そして、選びきれずもう一曲選んでしまいました。ソーサリアンの「ダンジョン」です。作業 BGMとして、1年ほど前からずっと聴いていたんですよね。ニコニコ動画に30分耐久の動画があって、トレスやレイアウト作業の時によく聞いていたのですが、数カ月前に消えていました…悲しい。

 

 

はい。とりあえず自分の中でのパソコンのゲーム曲、ベスト3(+1)が決まりました。アーケードの時とは違い、そんなに驚く結果にはなりませんでした。だいたい納得です。

なるべくメーカー・作曲者がバラバラになるようにしたかったのですが、僕の古代祐三さん好きが、モロに出てしまう結果となりました。好きなものはしょうがないですね。うん。

 

もしかして、大事なタイトル・曲を忘れてるかもしれませんので、思い出したら追記しようと思います。

あ、書いてる傍からMZ-700のビルディングホッパーを思い出しましたよ。1982年発売で、単音とはいえBGM+効果音をさらりとやっていました。けっこう凄くない?(笑)

さて、次の家庭用コンソールのマイベストで最後ですね。またちょっと時間が空きそうだなー…膨大な中から選ぶことになりそうなので、他の記事を書きながらゆっくりやります。

ではでは。