「ゴーントレットォー!!」
そう叫ぶ彼はフジオ君。当時小学4年生くらいだったろうか?
ゲームセンターで、そして街中で、彼を見つけ「フジオ!」と呼ぶと
彼は決まって「ゴーントレットー!!」と返すのです……。
こんにちは、こんばんは、コケガエルです。ほろ酔いです。
久々の更新ですね。前回から20日も経っています。怠惰ですねー‥
間隔が空くと、勝手に内容のハードルが上がる気がして、さらに書けなくなる悪循環。
さりとて、何か面白い事が書けるのかといえば、決してそんな事も無く(笑)
ま、自分のペースで行きます。
最近は少しゲームも遊んでいるしー
Nintendo Switchのスマイルベーシック買ったしー!
‥さらに更新頻度が落ちる予感^^;
さて、今回は中学生の頃(1984年くらい?)のしょーもない思い出話をしようかと。
5分程度で読めますので、どうぞお付き合いください。
個性いろいろ
いつもゲーセンでたむろしていると、学区や学年に関係なく友達ができるものです。
ちょっと変わった人たちも一定数おりました。
いつも割り箸を口にくわえて離さない人、オデコから手が離れない人、子供かおじさんか分からない人、そしてドルアーガの塔が大好き「ゴーントレットー!」のフジオ君。
推定小学4年生くらいなのですが、普通の子供とはまた違った様子でありました。
これくらいの年齢だと、せかせかガチャガチャしているのが標準的だと思うのですが、
彼は反応が鈍いというか、テンポが遅いというか‥いつもポカーンとマイペースでした。
機敏な反応をするのが唯一「ゴーントレットォー!」の返しです。打てば響きます。
バカにしていたわけではないのですが、いつものこのくだりが楽しくて、見かけるとつい声をかけてしまいます。誰にでも同じ反応だったかは分かりませんが、周囲も同じ感じでした。
彼は少々変わってはいましたが、奇声を上げたり攻撃的だったりという事はないので、すぐにゲーセンの常連達に弟のように可愛がられていましたね。
学校内ではイジられるような個性も、ゲーセンでは皆仲良しでした^^
少しでもバカにする気持ちが無かったか?と問われたら、完全に否定はできないかもしれません。しかし悪意を持って小突いたり、お小遣いを巻き上げたりすることは無かったです。
いつも和やかな雰囲気で、みんな温かく接していました。
そんなゲーセンだから居心地が良かったんだろうなー‥
あ、説明が遅れましたが『ゴーントレット』とはナムコの名作『ドルアーガの塔』に出てくるアイテムの名称で、大抵の人は『ガントレット』と呼びます。‥って説明不要ですね^^
(動画はYoutubeより。10面:ガントレットは4:50~)
フジオ君
フジオ君はドルアーガの塔(以下:ドルアーガ)ばかりプレイします。
その甲斐あってか、いや、それ以上に彼は上手かった。そして宝箱の出現方法をかなり暗記しており、彼に助けられる事もしばしばありました。すごいこだわり様でしたねー。
(もしかすると通常の「こだわり」と言うより、発達障害的なソレだったかもしれません)
彼は10面で出現する宝箱を取ると、嬉しそうに「ゴーントレットー!」と言います。
僕らがプレイしていてもそれを言うので、10面が近くなると彼を探して教えてあげたりしました。寄ってきて10面を待つんですよー、可愛でしょ?(笑)
アイドル?‥違うか。
マスコット?‥‥そう、マスコット的な存在だったかもしれません。
少々清潔感に欠けるマスコットですが皆に可愛がられていたんです。
彼はいつも鼻水を垂らし、薄汚れたジャージを着ていました。
清潔な今の世と違って、いつも綺麗な恰好をしている子供なんて半数(?)程度だったような気もしますが、薄汚れたグループの中でもハイクラスだったと思います。(特に袖口)
僕も蓄膿の鼻たらしだったので分かります。ポケットティッシュなんて瞬殺ですから^^;
しかし、身なりに似つかわしくないほど、お小遣いを沢山持っていました。
もしかすると、僕より持っていたかもしれません。
常に金欠の僕は、普段は邪魔にならぬよう遠くから他人のプレイを覗き見ていましたが、フジオ君のようなリッチな子と仲良しになると、気兼ねなく側でプレイを見られるので嬉しいんですよね~。フジオ君も優しいお兄さんにかまってもらえて、嬉しかった事でしょう(?)
中学生だった僕や友人達は、夕食の時間なんぞ気にもせずに暗くなるまで遊び惚けていましたが、小学生だった彼も外が暗くなるまで一緒に遊んでいることがありました。
家に帰って怒られないか、心配しちゃいますよね?小学生ですから。
彼はそんな事はまったく気にしていないようでしたが‥。
家庭の事情
ある時、仲間内で「フジオの家庭はどうなっているのか?」という話になりました。
普段は人の家の事など気にもしませんが、帰りが遅くても心配もされない小学4年生に違和感を覚えたのです。あとお小遣いが多すぎる事も気になりました。
そして仲間数人で、直接本人に家や母親の事を訊いてみたのです‥。
フジオ君は以下の事を教えてくれました。
- 父親はおらず、母とアパートで暮らしていること。
- 母は夜に仕事に出かけ、帰ってくるのは真夜中だということ。
- 母親がいない日は夕食代をもらっているということ。
最近は離婚なんて別段珍しくもありませんが、当時は今とは比較にならないほどネガティブなイメージがあったように思います。僕らは子供ながら年下の彼に同情しました‥。
勉強しない・暗くなっても帰らない僕達でしたが、家に帰れば「何処をほっつき歩いてきたの?」と小言と一緒に温かいご飯が出てくる環境がありましたからね。
けど彼は仲間内では一番幼いのに、ゲーセンで楽しく遊んだ後、誰もいないアパートでひとり過ごすのです‥。うぐぅ。
同情し、しんみりした後、やがて静かに怒りが湧いてきます。しようがないのに。
大人ならば、各家庭の事情なんだし、他人がどうこう言う事ではないのが分かるのですが、そこは人生経験が乏しく感情のままに生きている中学生です。安っぽい正義感のみで「これからフジオを家まで送ってやろう」「スーパーでご飯を買ってきてやろう」と盛り上がります。
なんの解決にもならないのに^^;
小学生がダンボールの捨て猫を見つけ、捨てた人間に対し怒りをおぼえ、ミルクを買いにいくテンションといえば分かりやすいでしょうか?
唐突に大御所、そして解散
お兄さん風を吹かせた中学生4人が、小学生を連れて日も暮れた街を歩きます。
歩きながら「家はどの辺?」「苗字は?」「お母さんの名前は?」と尋ねました。
フジオ君はゆっくりと答えます。
- 「家は〇〇〇の近く」(一同:はいはい)
- 「苗字は□□□」(一同:うんうん)
- 「おかあさんは□□□ フジコ」(・・・ふじこ?ふじお??)
一同:「親子そろったら【藤子不二雄】じゃねーか!マジかよ !?」
急展開です。
それまでの空気は何処へやら、唐突な『藤子不二雄』というワードの出現に、全てが無かった事のようなテンション爆上げ状態になりました!フジオ君はポカーン顔です。( ゚д゚)
「何がそんなに興奮したのか?」と思われるかもしれませんが、重苦しい緊張があった状況で、母親に対し「何故わざわざフジオと名付けた?w」というギャップでツボったのです。
だって、自分がフジコなら避けるべき名付けの筆頭じゃないですか。
(失礼ですよねー‥けど中学生当時の思考なので勘弁してください)
「すげえすげえw」と彼を家の側まで送ると、全てがどうでもよくなり笑顔の解散です。
皆、何かをやり遂げたような爽やかな良い顔をしていましたね。何もしていないのに。
そしてその後、この件に関して何があったかは、完全になーーんにも覚えておりません。
その後のフジオ君の事も。(←おい)
藤子不二雄のインパクトが大きすぎて、彼に関する記憶の紐付けが壊れてしまったのだと思います。
さながらHDDのマスターファイルテーブルの異常ですね。
どんな大人になったかなー‥
元気にしているといいなぁーー^^
・・・ええ、終わりですよ?
酔っぱらいが、思い出すままにキーを叩いただけのことです。
勘弁してつかぁさい/(^o^)\