こんにちは、こんばんは、コケガエルです。
前回【メインボード&FDD他のメンテ】で「1~2週間で更新できたらイイナ」とか言って、3週間近く経っちゃった‥
人間予定通りになんていかないものですよ(開き直り)

今回でMZ-2500のメンテナンスは終了です(予定)
ラストを飾るは『ボイスレコーダー』
ボイスレコーダーってなぁに?
いわゆるデータレコーダーなのですが、アナログ音声も自在に頭出し&再生可能なMZ-2500ならではの呼称なのだよ。フフン
下の動画は、そのボイスレコーダーを活用したデモです。
テープ音声の垂れ流しとはいえ、1985年にパソコンが肉声で喋ったのですから、褒めていいのではないでしょうか。CD-ROM時代のCD-DAだって理屈は似たようなモンです(乱暴)
もっとも、ボイスレコーダが活躍する事は無かったし、容量も天と地ほど違いますけどw
そんな素敵なボイスレコーダーですが、多くのユーザーが同じ症状で悩まれております。
「巻き戻しできねぇ」
twitter上で見かけるMZ-2500ユーザーの大多数と言ったら大げさですが、過半数ではありましょう。僕の知る範囲では、そんな印象。
メンテして分かったけど、経年劣化で皆同じ末路を辿るっぽいですよ?
まぁ、細かい話は後程ゆっくりと。
では最後のメンテのレポート、レッツらGO~~
電解コンデンサ
メンテナンスといえば、先ずは電解コンデンサの植え替えです。
基板は2段になっており、上段29個、下段4個の計33個。
電解コンデンサだけの比較なら、メインボードの26個より多いねぇ。
多いけど、片面基板なので簡単。サクサク進みますヨ♪
ここの基板だけ微妙に古臭く、MZ-2000とか80Bのモノをそのまま持ってきた印象。
(実際のところは知らんけど)黄色のマスキングテープが見苦しいですが、中年になってからこっち、ネジを外した場所に留めておかないと、最後にネジが余るのですよ。
ほいほいっと、メモを確認しながらガンガン植えます。
ウチのMZはTOMOさんのブログの内容と全く同じでした。
(Ver.違いとか存在するのかしら?)
下段の基板も同じ様に交換しましたヨ(たったの4コなので割愛)
さあ、メンテはここまで!ここからは修理です。
不調の原因を探る
この時点でのボイスレコーダの状態は、以下のような感じ。
- ソフトのロード→起動はOK。
- 早送りも概ね問題なし。
- 巻き戻しのスピードが止まりそうに遅く、回転も不安定(止まる事もあり)
頭の中では、左側のリールのグリスが固くなってるのカナ?くらいに考えていましたが、粘度の高い潤滑油は使われていませんでした。指で回してみても動きは軽く問題は無さそう。
では、再生と早送りは問題なくて、巻き戻しが出来ない原因はなんでしょう??
メカ的な構造を把握する為に、カセットテープ挿入を検知するセンサーを指で押さえながら、空の状態で動作確認&構造を観察すること2日間(おっそ)
なーーんとなく把握してきたその時、ギアのヒビ割れを発見!
写真ではハッキリ見えますが、老眼だし回転の位置によってヒビ割れがピタッと閉じていて、発見に時間が掛かってしまいました~
こういう類の故障とは予想外でしたが、これでやっと不調の理由が理解できました。
一定以上の力が加わると、ギアが空回りしてしまうのです。
正常ならシャフトの回転=ギアの回転を保てている筈なのですが、
ギアが割れることで緩んでしまい、滑っている状態でした。
では何故、ロードと早送りはOKで、巻き戻はNGだったのか?
それは、【回転させるカセットテープのリールの重さの違い】だと思います。
左(供給側)は常にテープが巻かれた状態=重い
右(巻き取り側)は空の状態からスタート=軽い
左右どちらのリールを回すにしても、動力を伝えるのは同じく割れたギアですが、ロードで空のリールを低速で回すのと、巻き戻しで重いリールを高速で回すのとでは、負荷は桁違いだと思います。
ほら、滑りそうでしょ?
最近やっとお茶のペットボトルが開けられるようになりましたが、炭酸ペットは硬くて開けられません。
ロードはできるけど巻き戻しはムリなのと構造は同じですね。握力(保持力)が無くて大きなトルクは伝えらず滑ってしまいます。
全ての状況で空回りしてくれていれば、もっと早く気が付けたと思うのですが、この曖昧さが絶妙に捜査を攪乱してくれましたね。
けど、分かってしまえばこっちのものです!
さあ、バラして修理してしまおう!
‥‥え?これどうやってバラすのかしら?
分解
むむむ、これはどうしたら良いものか‥
シャフトの頭に金属製の留め具(?)が付いており、ペンチで引っ張ったくらいじゃビクともしません‥。
となると、裏からのアプローチしかないけど、裏は裏でナンジャコレ?です。
プラスチックのプーリーを守護するこの金属の蓋の禍々しさたるや!
小山さんの「バラして元に戻せなくなっても知らんでw」という声が聞こえてくるようです‥
表からの分解は絶望的なので、観念して裏のコイツを外すしかありません。
が、回しても引っ張ってもビクともしない!
ムリして破壊してしまったら取り返しがつかないので、先達の英知にすがります。
すると、相互フォローのちまちまさんから有力情報が!
過去に全く同じ症状で困っている方への回答をリプライして下さいました。
MZ-2500のデーレコでFFやREWができないのは このギアが割れてるからのようだけど、取り外し方が判らない。。スナップリング?では無さそう pic.twitter.com/G9Km0ZffiH
— @tomo_retro (@tomo_retro) 2022年1月23日
あぁ、モーターから繋がってるクラッチと同じ軸でしたか...となると、表の金属輪っかを叩き込んでハメている可能性がありますね。その場合、軸を叩いて抜くパターンもあってプラパーツが多いと難易度高そうでお役に立てずorz X1でもこの場所はハメ込みになっていて怖くてバラせませんでした。 pic.twitter.com/vSlDtvz5q8
— ちまちま (@TimaTimaTW) 2022年1月25日
同症状&同じ箇所で困っていたツイートがあったとは…
助けを求める前に検索すべきでした(反省)

アレ?ちょっと待って!?今気が付いたけど、ツイ主はTOMOさんだー!
なんて偶然!!本当にたった今気が付きましたー(びっくり)

コンデンサの情報で、散々お世話になっておいて今更??
注意力と記憶力がヤバイです。自分のことながら呆れてます…orz
と同時に、尊敬するTOMOさんと同じ結論にたどり着けた自分が誇らしい///
そして、喉から手が出るほど欲しかった情報が!
謎の円盤を外すための秘密兵器『プーラー』の存在です。
合うかどうか、隙間に入るかどうかは別ですが、工具的にはこんな感じのになると思います。https://t.co/GXfC2eRwcW
— ちまちま (@TimaTimaTW) 2022年1月26日
世の中にはこんな素敵な道具があるんですね。
ちまちまさんに感謝しつつ、合いそうなプーラーをamazonで探したのですが、サイズや形状で絞って行くと、結局はちまちまさんが紹介されてた物にたどり着きました。流石です~
僕の購入時は846円、中国からの発送で到着まで9日間。
修理後の実感ですが、MZの修理においてはこのプーラーしか無いと思われます。要加工ですが、この後じっくり解説していきます。
プーラーの加工&取り外し
本来は表側の先っちょのような形状のものを外す為の工具っぽいけど、表側は外すための土台のプレート(以下:プレート)を入れる隙間も、プーラーをセットする為のクリアランスもありません。
というワケで、自ずと裏側から攻める事になります。
では早速、憎き円盤を外したいところですが、本来の使い方ではサイズ的に完全に無理。
プレートを差し込むにも幅が足りないし、そもそも厚すぎて入りません。
なので、プーラー本体のプレートを差し込む溝にダイレクトに円盤を入れる作戦にしました。
ただ、このままではやはり幅が足りず入りません。なので本体を削って幅を広げます。
とりあえず片方だけ削った画像。
幅を広く、そしてコの字の下部をプレートより薄くします。
ダイソーのやすりでシコシコと削ったのですが、本体の金属が滅茶苦茶硬い!
片側だけでヒーヒー言いましたが、両側頑張りました。エライ
無事に入れることができました。
プーリーはバネで遊びがあるので、指で押し下げてプーラーを差し込みます。
こうして見ると「高さはこんなに広げなくて良かったんじゃね?」と思いすが、溝の高さよりも下の部分の薄さが重要なワケです。疲れまっせ~~
さて、いよいよプーラーが仕事します!
目標をセンターに入れてスイッチ!ではなく、ハンドルをぐるぐる。
よっしゃー!ついに外せました~~長かった \(ToT)/
これで、さくっと進むとおもーじゃん?
バネとバネがズレないための土台を外すと、またも取れないこんなのが!!(左の写真)
ペンチで引っ張ればとれそうだけど、けっこう固めです。
せっかくプーラーがあるのだから使いましたね。
けど、プレートが隙間に入らなかったので、またやすりで加工する羽目にww
今度は薄くするだけだけど、めんどーい
加工&セット完了。ぐるぐるぐる‥
ぽろん。
これで、完全に目的のギアを取り外すことができました。めでたい♪
やっとの思いで犯人を追い詰めた刑事の気分です。
さてと‥どうしてくれようか
やっとこさ補修
マルコに逢えた母アンナのような気分です。
優しく長旅の傷を癒してあげましょう。
先ずは割れたギアを『プラリペア』で補修します。プラリペアは本当に優秀で手放せません。
細い隙間に流し込みたいので、「ふりかけ法」で補修。

先に粉を振っておいて、後から液を垂らす方法です。
盛って肉付けする必要が無い時は、ふりかけ法が良いと思います。
僕は補修しましたが、ギアとして機能しそうならば補修の必要は無いかもしれません。
問題は、ひび割れしたことで回転の伝達が保持できないことですからね、
要はひび割れしていても、シャフトにガッチリ固定できれば良いのです。
では、ガッチリ固定できるか試していきます。
【試みその1】
わざとシャフトが通る内側にプラリペアをはみ出させてキツくなるようにしてみましたが、結果はダメ。シャフトを通したら、綺麗に押し出されてしまいましたw
【試みその2】
カチッとした固定より、ググッとした粘りが欲しいのでブチルテープのようなベタベタしたものが理想的な気がします。なのでゴム系の接着剤を使ってみましたが、「その1」と同じ理由でダメでした。そもそも、金属との相性が最悪ですw
【その1】【その2】がダメなところは、どちらも薄く均一に広げることが難しく、挿入するシャフトに押し出されてしまうところです。
加えて金属製のシャフト・プラスチック共に、接着剤の食いつきが極ワルです。結果『瞬間接着剤』という小学生みたいな結論にたどり着きました(笑)
先ずはそのまま瞬間接着剤でトライ。
うん。イケてるっぽいので組み戻します。
分解した逆の手順で~‥‥最後に金属円盤をコンコンと打ち込んで完了っと♪
カラーテープベーシック『MZ-1Z002』を立ち上げてテスト開始!
起動後に自動で頭まで巻き戻しになれば、この長い戦いに終止符が打たれます。ワクワク
・
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・
・
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止まるんかーーーい!
起動後の巻き戻しが1秒で止まりました。修理前より悪いww
組み戻しの最後、円盤をコンコン叩いたのがダメだったみたい。
接着剤の食いつきが悪いので、ギアにちょっとでも他のパーツが当たると剥離しちゃう。
だよなぁ~だから硬度より粘りが欲しいんだよなぁ‥

まぁ、想定内ですけどね、
ということで足付け開始。
シャフトに棒やすりでガシガシ傷をつけて再トライ!
ギアとシャフトの間に接着剤が十分に入る隙間が生まれると共に、表面積の拡大&食いつきが改善されます。
先ほどと同じく瞬間接着で接着完了。
組み戻す前に手で回してみると‥今回は大丈夫そうです。
また慎重に組み戻します‥慎重に‥‥
ラストの例の金属の蓋をコンコンしてハメると‥
あ!また修理前と同じになってるゥ!!(泣)

電源を入れてテストするまでも無く、指で回すと分かります
瞬間接着剤はとにかく衝撃に弱く、あまりに粘りが無い。
かと言って他に良い方法も浮かばないので、再再トライです。
とにかく、無事に組み上げさえできれば、テープを巻き戻すくらいの負荷は余裕なのだから。
再度念入りに足付けし、残った接着剤を徹底除去。そしてアルコールで脱脂。
塗装や接着はとにかく脱脂が重要で、脱脂後は絶対に素手で触ってはいけません。注意。
今回はギアの口の部分にも、追加で接着剤を乗せました。シャフトと跨ぐようにね。
気休めかもしれませんがw
慎重に組み戻し、最後の金属蓋は指でギューーー!
もうコンコン叩きません。おっと、写真ではハメ込みが甘いですが、ちゃんと最後まで入れてますので、ご心配なく。
もっと良い写真があれば良かったのですが、ずっとあっぷあっぷだったのサ///
さてと、今度はどうでしょうか?(カウンターに注目)
ぅオッケーーイ!無事に頭まで巻き戻りました!!
巻き戻しも、早送りもバッチシOKです。うひょー♪
うぐー苦労したなぁ~‥何か他に良い接着or固定方法は無いものだろうか‥
イモネジみたいな物で固定できれば安心なんですが、ギアがあまりに小さいし、シャフトも細いからなぁ~無理よなぁ‥
細い穴に、それ以上の太さのシャフトを入れることで保持力を保つ構造だから、プラスチックの経年劣化でいつかは必ず割れそうですよね。
けど、製造から10年程度なら何の問題も無いでしょうし、コスト的にもこれが一般的なのも理解できるので、何の文句もありません。
好きで30年以上も使ってる我々が、愛情をもってトラブルと付き合っていくしかないですよね。楽しいし♪
さ、仕上げにゴムベルト類を新品に換えて、本当に終了です。
一番大きい平ベルトは、問題なさげなので取りあえず保留(サイズが分からなかっただけなのはヒミツ)
細い角ベルトは、3本全部伸びてるっぽいのでamazonのお安いセットを2つ購入。

単品の品番とかをお伝えできればカッコいいのですが、お安いセットの中から合うものを選んで付けたので、はっきり紹介できない事をお許しくださいw
平ベルトに関しては、千石電商さんで品番EEHD-0PP5(60φx0.5×5)が買えるみたいです。
ピンチローラーと一緒に、今年中に換えたいなァ(多分来年)
最後に
いや~~、長い道のりでした。
電源の電解コンデンサの植え替えからスタートして、拡張ボード類、FDD、メイン基板、
そして最後のボイスレコーダー。
ボイスレコーダーと他全部で、1:1くらいの比率でしたけどねw
これにて、全てのメンテナンスが終了と相成りました。身も心も晴れ晴れです。
何かを忘れている気がしますが、気のせいでしょう。
僕の拙い作文が誰かの役に立てるとは思えませんが、素人が右往左往する様を楽しんでいただけたなら、それだけでハッピーです。
もし質問などありましたら、お気軽にコメントしてください。
素人の回答で良ければ、全力で返答させていただきます。
ではでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。
また、遊びに来ていただけると嬉しいです。

ボイスボードの電コン、メインボードのタンタル‥‥
999円になってるぅ
最近買いました。老眼なので助かってますw